はじめに 3 「資金」

本人訴訟の場合、弁護士費用が掛かりません。費用は申立手数料と予納郵送料と証人尋問の予納、事務関連費といったところでしょうか。あなたが訴額100万円の相手が1人の訴えを提起したとして(東京地裁の場合)、申立手数料が1万円、予納郵送料が6000円、証人尋問1人と事務関連費で大体6万円前後と言ったところでしょう。請求通り100万円が認められたとして儲けは92万4千円です。


いかにも儲かりそうな話ですが留意しなければならない点があります。
あなたがゼロから勉強を始めて法廷で戦える知識を身に着けるまで最短で6か月は掛かると筆者は考えます。さらに1審から3審まで戦ったとしてこれらの平均審理期間を足すと18か月になるようです。合計で24か月です。勉強期間の6か月は時間のすべてを勉強に向けられる場合です。定職に就きながら勉強するならば勉強期間は確実に伸びるでしょう。訴訟がすべて終わるまでの生活費も考慮しなければなりません。家族がいれば家族に協力をお願いすることも考えましょう。割に合うのか会わないのか。割に合わなくても戦うのか。ここでもやる気次第かもしれません。


費用の面で筆者が経験したこととしてFAXが大きいです。東京地裁では相手に直送できるものは郵送かFAXなのですが(他の裁判所ではEメールでできる所もあるようです。FAX機を買う前に管轄の裁判所に確認した方がいいでしょう。)、このFAX機に面食らいました。最近の家庭用のコピー機にはFAX機能がついており、PCでEメールのように送受信ができる(準備書面等は押印が必要なので送信は従来通り手作業。)のです。簡単な訴訟で証拠書類も被告の数も少ないなら従来のFAX機能付き電話機又は郵送とコンビニ等のコピー機でも間に合うでしょうが、これ以外ならFAX機能付きコピー機がおすすめです。最近のエコタンクなどの大容量インクタンクがついているモデルならば印刷費も安上がりのようです。