裁判所のお作法 1 「傍聴」

「お勉強方法 1」で裁判の傍聴をしましょうと書きましたが、ここで独特のお作法があります。法廷入口の廊下に「傍聴についての注意」と書かれたプレートが掲げられてあり、携帯電話の電源を切りましょうとか静かにして下さい的な事が書いてありますが、そんな一般的なことを書いても仕方が無いので筆者が体験したことを書きます。

 

まず誰もいません。

 

マスコミが注目するような事件で無い限り、傍聴者は滅多にいません。法廷に入ると書記官にガン見されること請け合いです。
筆者の場合は書記官から「今日は何しにいらしたのですか?」と聞かれたり、原告と被告両方の弁護士が「なんで人がいるの」とひそひそ話をしているところまで出くわしました。基本的に裁判とは修羅場の人がやるものなのです。そういう修羅場ど真ん中の人に近づきたがる人はいない。筆者はそう考えています。近年裁判官の質の低下がささやかれていますがこの辺がひょっとして原因なのではないか?と勘ぐってしまいます。

 

また慣例として法廷で起立をするというものがあります。

 

あなたが本人訴訟をするなら

1 裁判官が入室した時
2 証人の宣誓時
3 証人に尋問する時
 
に起立をすることになりますが3以外は傍聴でも同じです。この場合には取り合えず起立してしまうのが無難です。さらにここでも筆者が体験したことがあります。

法廷によってまるでやり方が違うのです。

まるで学校の学級委員のように「起立!令!着席!」をやる書記官やら、「傍聴席の方も起立願います。」と裁判官が音頭をとっているものやら、裁判官も書記官も何も言わずにササっと着席して裁判を始めてしまうものやらまるでやり方が違うのです。裁判官は憲法で独立が保証されており、こういう細かい所は人によって違うということが如実に表れています。

一見こぼれ話のようですが、「細かい所が人によって違う」所は頭に入れておいた方がいいでしょう。

裁判は裁判官の心証で決まるので、本人訴訟を起こして担当裁判官が決まったらその裁判官の裁判(証人尋問)を傍聴して裁判官の性格を大まかに把握するのも一つの手かもしれません。

 

この手のこぼれ話として

 

裁判官! 当職そこが知りたかったのです。 岡口基一他 学陽書房

 

がかなり正直に裁判官の内心を書いているので興味があったら読んでみるのもいいでしょう。